第3回 マーケティングと心理学について。
今回は「 返報性の原理 (へんぽうせいのげんり)」を用いた通販の販促方法をご紹介します。
悪魔のマーケティングなので、多用は厳禁ですよ。
返報性の原理とは?
相手から受けた好意などに対して、「お返し」をしたいと感じる心理状態のこと。バレンタインデー⇔ホワイトデーはまさにこれです。
これを匠に商売に利用しているのが、対面の販売員さんたち。特にスーパーの試食コーナーや、化粧品販売員(美容部員)さんは『 返報性の原理 』を多用しています。
お客さまは、
「無料で試食させてもらったんだから、なにか買ってあげなくっちゃ」
「無料でメイクをしてもらったんだから〜」という心理状態になるわけですね。
実は、直接会話ができない「通販」においても、この『 返報性の原理 』が使えます!!
多くの通販企業さんが無意識的に実践されているのは、商品に同梱する「挨拶状(手書き風)」ではないでしょうか。
お客さまへの感謝の気持ちをしたためた挨拶状。それを読んだお客さまは「丁寧な企業さんね♪これからも利用させていただくわ♪」と………、本当になるのでしょうか?
答えはNOです。
驚くかもしれませんが、私の過去の経験上、この「挨拶状作戦」は、ほとんど効果がありません。やらないよりマシという程度です。自分の身になって考えてみてください。Amazonで商品を購入して、商品に同梱されている「何かしらの印刷物」を読みますでしょうか?
さてさて、この記事では、私が過去に実践して成果が出た『 返報性の原理 』を使った販促方法を特別に1つだけご紹介いたします。
それは「年賀状・暑中見舞い」です。
今「前時代的(笑)」とあざ笑った人、あなたは大きなチャンスを取りこぼしています。
この施策のマネタイズの方法は、年賀状や暑中見舞いの裏面の下部に、「1ヶ月限定 777円引クーポン」と「注文電話番号(QRコード)」を印字。そこから注文いただいた方に割引対応をする という仕掛けです。
ここからは、もっと深い仕掛けです。
宛先・裏面の「イラストや写真」はプリントでも構いませんが、必ず空きスペースに数行の手書きメッセージを書き添えてください。
それだけでクーポンの利用率が大幅にアップします!!(経験上10倍以上!)
以下は、サプリを購入してくれたお客さまへの「暑中見舞い」に、私が実際に書いた手書きメッセージです。
◎◎さまへ いつもお世話になっています。暑い日々が続きますがお体の調子はいかがでしょうか? この暑さに負けず◎◎様がお悩みのない毎日を過ごされていますことを心から願っております。そのために、どんな些細な変化でも私□□までお教えください。いつでもお便り・お電話をお待ちしております。これからもよろしくお願いいたします(*^^*) △△株式会社 □□より
この施策のポイントは…
- 一人一人、文面を差し替える必要はありません。定型文でOK!
- 多少文字が汚くてもOK!気にしないで。
- 誰が書いてもOK!手が空いている人を社内で探してください。
- 目立つように「青色のペン」で書きましょう。
- 郵便局が発行している暑中見舞いはがきや年賀状を使ってください。はがきサイズのDMでは意味がありません。それだと企業が「見返り」を求めていることが透けてしまいます。
ちょっと加筆するだけで、お客さまの心中には「やってもらった」という感覚が芽生えます。日頃、企業とのコミュニケーションはメールや印刷物など「人肌感のないもの」に慣れている現代人だからこそ、一層「手書き」が効きます!
「手書きメッセージ」という「温かい気持ち」を、お客さまは「購入」という「温かい気持ち」で返してくれるんです。
今「そんな簡単に行くかね?」と思っているアナタ!!嘘だと思ったら、実践してみてください。おもしろいくらいに購入してくれます。
今「そんなこと簡単に考えつくよ♪」と思っているアナタ!!では実践したことがありますか?考えついても行動しなければ、それは無価値です。
はがきは1通あたり、わずか62円。セコセコとセグメントをかけず、休眠顧客であれ、1回しか購入していない顧客であれ、誰彼構わず送ってください。
想像を超える反応に、きっと驚かれるはずです。
なお「 返報性の原理 (へんぽうせいのげんり)」は、好意と同じく、悪意を向けると悪意で返ってきます。せっかくの手書きも、名前を間違える、誤字脱字が目立つ、はがきが汚れている などあると逆効果になってしまうのでご注意くださいませ。
他にも、『 返報性の原理 』を利用して、WEB上のレビューコメントを大量にゲットできる方法や、クロスセルを円滑にする方法、クレーム顧客を優良顧客にする方法など、通販広告専門のマーケティング会社【イッテントッパ】は自らで実践してきました。
「もっと聞きたい!」や、通販に関するお困りごとがありましたら、ぜひ下記のボタンからメッセージをお寄せください。この記事の感想もお待ちしています!! それでは次回!!