今回は私オオタハラがお話しさせていただきますね。
先週、某お弁当屋で「チキン南蛮弁当」を注文しました。「野菜も食べなきゃ…」と思い、レジの人に「あ、すみません、サラダもつけてください」と伝えたところ、「サラダ南蛮で良いですか?」と聞かれました。
私⇒(メニューを指差しながら)「え、ええ~っと、『これ』に『これ』をつけてください」
店員さん⇒「はい、ですから“サラダ南蛮”ですね?」
私⇒「は、はぁ…」
出されたのはチキン南蛮の入った容器に、サラダも入ったもの。なので、提供スタイルのイメージは違いましたが、結論として品数は合っていました。
別日のこと、自宅の書類を整理したくてクリアファイルを買いに100円ショップに行きました。文具コーナーを探しても見当たらなかったので、店員さんに「すみませんクリアファイルはありますか?」と聞きました。首をかしげる店員さん。
私⇒「えと、あの、紙をはさむA4サイズくらいの透明のフィルムです」
店員さん⇒「あぁ!クリアホルダーですね!」
私⇒「あ、えと…、ペラペラのプラスチックフィルムで、1袋に5~10枚くらい入っているやつです」
店員さん⇒「はい、なのでクリアホルダーですね」
私⇒「う~ん、えっと、クリアホルダーを見せてもらっていいですか?」
店員さん⇒「はい、こちらです!」
目の前にあったのは、私が「クリアファイル」だと認識していたもの。
店員さん⇒「クリアファイルとクリアフォルダーの間違え、よくあるんですよね~」
私⇒「そうですか・・、私は一般的にこれをクリアファイルと呼ぶと思っていますが・・」
さてさて、そんな経験をして、今回私がみなさまにお伝えすることは「ユーザーエクスペリエンス(UX)ライティング」についてです。
●UXとは「ユーザーが、ひとつの製品・サービスを通じて得られる体験」
●UXライティングとは「言葉で、サービスや価値のイメージを均一化して伝えること」
簡単に言えば「操作性の良い言葉選び」についてお話したいと思います。
ご自分の周りで使用している用語を、そのまま販売サイトに記載したり、日頃の営業トークに使っていないでしょうか? この現象、先の「サラダ南蛮」「クリアホルダー」しかり、実は多くのシーンで見かけます。
具体的な事例を挙げますと、販売サイトで「クレンジング」を紹介していたが、なかなか反応が悪い・・。それを「メイク落とし」と記載した途端に、60代の購入が10%以上増えた!!ということがありました。「クレジング」なんて、普段から当たり前に使っていた言葉が、実は60代にとっては「メイクを落とす商品」と直感で伝わっていなかったのです。広告コピーは2秒で伝わらなきゃ駄目ですからね。
他にも、エッセンス(美容液)、ローション(化粧水)も、多くのシニアターゲットに伝わっていないことが多かったです。
さらに、キャッチコピーで使われがちな「造語」も注意が必要です。化粧品の「あこがれ肌」「白磁器肌」「閃光肌」「透明肌」なんて、売上に貢献しないコピーの代表です。(データを元にしています)
ぜひ今、あなたの会社の販売サイトに書かれてある文言を、あなたのご両親や、お爺ちゃん・お婆ちゃんの顔を想像しながら「この言葉って伝わるかな?」と細かくチェックしてみてください。購入ボタン・問い合わせ先の表記などなど、意外なワードが足を引っ張っているのかもしれませんよ。