【 通販広告 】 機能性表示食品 を過去の 事件 とともに振り返る
こんにちは、こんばんは
株式会社イッテントッパ代表の三村和範と申します。
今回の記事は2024年上半期とあるサプリメントの件でニュースをにぎわした「機能性表示食品」についてお話をしていきたいと思います。
現在、報道自体は沈静化してきていますが、国も動いており、専門家をまじえて機能性表示食品のあり方を検討していました。
消費者庁が2024年5月末を目処にまとめた見直し策が下記の通りです。
大きな変更点は2つあります。
1つ目は被害の報告です。
現行では被害があった場合について「速やかに報告」にとどまっていますが、見直し策では、“因果関係が不明であっても、健康被害が疑われる情報が寄せられた場合、その情報を国などへ提供することを義務化”した。
2つ目は製造の品質についてです。
現行では「適正製造規範(GMP)に基づく製造工程管理が強く望まれる」にとどまっていますが、見直し策では、“GMPを義務化”としています。
「GMP」とは製品の品質と安全性を守るべき基準のことです。主要な要素は品質管理システムや製造公営の管理、施設や設備などがあり、多岐に管理が求められます。
これらを守らなければ、販売の差止めや営業禁止の措置を可能とする方針も決まりました。
さらなる課題として、そもそもサプリメント自体にも規制のあり方を検討する動きもあるそうです。
さて、大前提「機能性表示食品とはなにか?」ということですが、スタートはわりと最近の2015年からになります。
登録としての第一号は、内臓脂肪系のサプリメントです。それが2015年の4月13日が届け日となっています。
なお、私が通販広告として最初に認識したのは、目のサプリメントだった記憶があります。「日本初!機能性表示食品」「手元のピント機能の調整を助ける!」的なコピーがドーンと目に飛び込んでくるチラシでした。
このように医薬品と食品の狭間にある健康食品に対して、機能性食品は消費者にとって「飲んだら何に効くか?」の効果をわかりやすくできるメリットがあります。
例えば、パッケージに
「内臓脂肪を減らすのを助け、高めのBMIの改善に役立ちます。」
「関節の柔軟性、可動性をサポートすることが報告されています。」
といった文言を記載することができるようになるわけです。
同じような立場の「トクホ」より許可に要する年数や費用が安いのが特徴で、いわゆる“規制緩和”の性格を帯びています。
トクホとの違いの最大の特徴は、トクホは国の審査を受ける許可制に対して、機能性表示食品は事業者の届出制で通過できることといえるかもしれません。
データを見てみると2024年だけでもすでに2,000件以上の届け出があり、合計で8,200件以上にのぼります。2020年のデータによると市場規模は5,600億円以上!
この数字はトクホに迫る勢いだそうです。
今回、ニュースを騒がしているのは健康被害ですが、最初に機能性表示食品でニュースとなったのは2017年のダイエット系のサプリメントでした。
届け出の内容以上に、容易に痩せてしまう誤解を招く広告表現が取り締まりの対象でした。それからも何度か機能性表示食品のニュースがあり、国と販売者側のやり方を整え、すり合わせていった印象があります。
ただ、2023年には今のニュースとは別件で、届出の根拠自体に妥当性があるかどうかという“そもそも論”に踏み込むことがあったり、今回の健康被害問題があったりと、機能性表示食品自体のあり方を問われかねない事案が続いています。
通販業界にいるものとして、私も真摯にこの事案を考え、健全な発展を願っていきたいと思っております。
機能性表示食品の広告で書けること、表現できることについて心配な方は、ぜひ1度、当社までご相談ください。相談は無料です!